新NISAを満額投資できている人は何%?答えは5.7%でした|1,800万円を焦らなくていい理由

投資・資産運用

新NISAの生涯投資枠は1,800万円。年間の上限は360万円です。

年360万円を5年間続ければ、最短で枠を埋め切れます。この「満額投資」を目指すべきだ、という話をよく見かけます。

では実際に、どれくらいの人ができているのか。

金融庁が公表しているデータを、そのまま調べました。

満額に近い水準まで投資した人は、5.7%でした。

そして36.6%は、2025年に1円も買っていません。これが実態です。

この記事でわかること

  • NISA口座2,855万件の年間投資額の分布(金融庁データ)
  • 満額に近い人がどの年代に多いのか
  • 1,800万円まで月いくらで何年かかるか
  • そして、満額を目指さなくていい理由

まず、制度をおさらいします

項目 金額
生涯投資枠 1,800万円(うち成長投資枠は1,200万円まで)
年間の上限 360万円(つみたて120万円+成長240万円)
最短で埋める年数 5年

年360万円は、月30万円です。

この数字を見て、どう感じたでしょうか。

実際のデータを見ます

NISA口座の年間投資額の分布 0円36.6% 60万円以下35.4% 300万〜360万円5.7%

金融庁の「NISA口座の利用状況調査」(2025年12月末時点)から、2025年の1年間にいくら投資したかの分布です。

年間の投資額 口座数 割合
0円(買っていない) 1,044万件 36.6%
60万円以下 1,010万件 35.4%
60万〜120万円 239万件 8.4%
120万〜180万円 105万件 3.7%
180万〜240万円 202万件 7.1%
240万〜300万円 90万件 3.2%
300万〜360万円 164万件 5.7%

7割は、年60万円以下でした

「0円」と「60万円以下」を足すと、72.0%になります。

年60万円は、月5万円です。NISA口座を持っている人の7割が、月5万円以下ということになります。

そして、36.6%は1円も買っていません

ここは正直に補足しておきます。

この「0円」には、年の途中や年末に口座を開いたばかりの人も含まれています。だから全員が「開設したのに放置している」わけではありません。

それでも、1,044万件という数字は大きいです。口座を作ったあと、何もしていない人がかなりいるのは間違いありません。

満額を目指す前に、まず1回買うこと。

口座を開いた時点で満足してしまうのは、いちばんもったいないパターンです。

満額に近い人は、どの年代に多いのか

年300万〜360万円を投資した人の割合 年代別 50代7.6% 40代7.5% 20代2.1%

年300万〜360万円を投資した人の割合を、年代別に見ます。

  • 20歳代……2.1%
  • 30歳代……6.1%
  • 40歳代……7.5%
  • 50歳代……7.6%(最多)
  • 60歳代……7.1%
  • 70歳代……3.3%
  • 80歳代以上……1.2%

いちばん多い50代でも7.6%。20代なら2.1%です。

40代から60代に多いのは、収入がピークに近く、教育費が一段落した世帯があるからでしょう。退職金を運用に回すケースもあります。

つまり満額投資は、条件がそろった一部の人がやっていることです。20代・30代が「できていない」のは、まったく普通のことです。

1,800万円まで、月いくらで何年かかるか

1800万円に到達する年数 月3万円で50年 月5万円で30年 月10万円で15年 月30万円で5年

投資したお金の合計(元本)だけで計算すると、こうなります。

毎月の金額 満額まで 現実的かどうか
月3万円 50年 元本だけでは届きにくい
月5万円 30年 30歳で始めれば60歳で満額
月10万円 15年 40歳で始めても55歳
月30万円 5年 これが5.7%の世界

月5万円で、30年。

30歳から始めれば、60歳のときには枠を埋め終えている計算になります。5年で埋める必要は、どこにもありません。

※投資した元本だけの計算です。実際は運用益がつくので、資産額としてはこれより早く増えることが多くなります(ただし枠の消費は買った金額でカウントされます)。

なぜ「満額」を焦らなくていいのか

理由は3つあります。

1. 枠は逃げません

旧NISAには「その年に使わなかった枠は消える」というルールがありました。だから焦る意味がありました。

でも新NISAの生涯投資枠1,800万円は、一生かけて使えます。今年使わなかったから減る、ということはありません。

2. 生活防衛資金を削ってまで投資すると、逆に損をします

これがいちばん危ないパターンです。

手元の現金を削って投資に回すと、値下がりしたタイミングで売らざるを得なくなります。急な出費が来たときに、他に取り崩すものがないからです。

投資で失敗する典型が、これです。生活防衛資金がいくら必要かはこちらの記事で計算できます。

3. 続けることのほうが、金額より効きます

月30万円を1年で止めるより、月3万円を20年続けるほうが、たいていの場合いい結果になります。

投資は、時間を味方につけるものだからです。

満額かどうかより、止めないかどうか。

枠を埋めることが目的になると、無理をして続かなくなります。

それでも枠を早く埋めたい人へ

もちろん、余裕があるなら早く埋める意味はあります。非課税で運用できる期間が長くなるからです。

その場合の順番は、こうです。

  1. 生活防衛資金を確保する(生活費の3〜6ヶ月分)
  2. 使う予定のあるお金を分けておく(車検、教育費、住宅資金)
  3. 残ったお金で、枠を埋めていく

この順番を守れば、無理なく増やせます。逆にすると、必ずどこかで崩れます。

お金の順番については6ステップの記事にまとめました。

ちなみに、2026年から少し便利になります

令和8年度の税制改正で、売却した分の枠が、その年のうちに復活する方向で見直しが進んでいます。

これまでは売却しても枠が戻るのは翌年でした。使い勝手は改善しますが、「だから売って買い直そう」という話ではありません。長期で持ち続けるほうが、ほとんどの人にとって有利です。

で、いくら投資すればいいのか

答えは、人によって違います。ただ、目安はあります。

いまの状況 おすすめの金額
生活防衛資金がまだない 月5,000円から。まず慣れる
生活防衛資金が1ヶ月分ある 月1万〜3万円。貯金と並行で
3〜6ヶ月分たまっている 月5万円を目標に
それ以上の余裕がある 枠を埋めにいってもいい

何を買うかで迷っている方は、新NISAで結局どれを買う?をどうぞ。オルカンかS&P500の1本で十分という話を書いています。

たこ先生の、正直な話

この数字を調べていて、少し安心しました。

SNSを見ていると、「満額入れました」「1,800万円埋めました」という投稿が目に入ります。それを見て、自分は遅れているのではないかと感じることがありました。

でも、データを開いたら5.7%でした。

声が大きい人が目立っているだけで、実際には20人に1人です。しかも半分近くは、1円も買っていない。

私自身、始めたころは月5,000円でした。いま思えば少なすぎる金額です。でも、あのとき「月30万円でないと意味がない」と思っていたら、たぶん始めていません。

比べる相手を間違えると、始められなくなります。

比べるべきなのは、SNSの誰かではなく、何もしなかった場合の自分です。

月5,000円でも、20年続ければ120万円になります。何もしなければ0円です。その差は、満額かどうかより大きいと思っています。

まとめ|満額は、目標ではなく上限です

  • 満額に近い水準まで投資した人は5.7%(金融庁データ)
  • 36.6%は1円も買っていない。7割は年60万円以下
  • いちばん多い50代でも7.6%。20代は2.1%
  • 月5万円なら30年で1,800万円に届く。焦る必要はない
  • 生活防衛資金を削って投資すると、安いときに売る羽目になる

1,800万円という数字は、目標ではなく上限です。

今日やることは、ひとつだけです。

いまの積立額を確認してください。止まっていたら、月5,000円でも再開する。それだけで、36.6%の側から抜けられます。

※本記事の数値は金融庁「NISA口座の利用状況調査」(2025年12月末時点)にもとづきます。年間投資額の分布は2025年1月1日〜12月31日の実績で、年の途中に開設された口座も含みます。制度内容は変更されることがあります。投資の判断はご自身の責任でお願いします。

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