新NISAで結局どれを買う?2026年版|オルカンの62.8%はアメリカでした

投資・資産運用

新NISAの口座ができた。積立の設定画面まで来た。

そこで、たいていの人が固まります。

「で、結局どれを買えばいいの?」

S&P500、オルカン、ナスダック100、FANG+、TOPIX。名前だけ聞いたことがあるものが、ずらりと並んでいます。

結論から書きます。

全世界株式(オルカン)か、S&P500。この2つのどちらかで大丈夫です。

この2つは、正直に言って完成されすぎています。初心者が工夫を足す余地が、ほとんど残っていません。

そして、この記事でいちばん見てほしいものがあります。

オルカンの中身の、62.8%はアメリカです。

「全世界」という名前から想像するより、ずっとアメリカに寄っています。これを知ると、オルカンとS&P500で悩む意味が、かなり小さくなります。

この記事でわかること

  • 5つのインデックスのいちばん大きな違い(銘柄数です)
  • オルカンの国別の中身(円グラフで見ます)
  • なぜこの2つが「完成されすぎている」のか
  • ナスダック100・FANG+・TOPIXを買い足す意味はあるのか
  • それでも気になる人のための、コアとサテライト

まず、5つを並べてみます

いちばん大きな違いは、リターンでも人気でもありません。何銘柄に分散しているかです。

新NISAで選べる主なインデックスの銘柄数比較 オルカン S&P500 ナスダック100 FANG+ TOPIX
名前 銘柄数 中身
全世界株式
(オルカン)
約3,000 世界47か国。これ1本で世界中に分散
S&P500 500 米国の大型株。米国経済のほぼ全体
ナスダック100 100 ナスダック上場の非金融企業。ハイテク寄り
FANG+ 10 米国の巨大テック中心。等ウェイト
TOPIX 約1,672 日本の東証上場株。2026年10月の見直しで約1,200へ
FANG+の「10」に、まず驚いてください。

オルカンが約3,000銘柄なのに対して、FANG+はたった10銘柄です。これは分散投資ではなく、集中投資です。値動きの大きさも、まったく別ものになります。

オルカンの中身を、見てみます

ここが、この記事のいちばん大事なところです。

オルカン(eMAXIS Slim全世界株式)の国別構成比 米国62.8% 日本4.9% 円グラフ
国・地域 比率
米国 62.8%
その他の国・地域 13.5%
日本 4.9%
英国 3.2%
カナダ 3.0%
台湾 2.9%
韓国 2.2%
フランス 2.1%
スイス 2.0%
その他 3.4%

※eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)の国別配分比率。2026年4月30日現在。比率は日々変動します。

「全世界」なのに、6割がアメリカ

意外に思われるかもしれません。でも、理由はシンプルです。

この指数は「時価総額の大きい順」に組み入れる仕組みだからです。

世界中の株式を金額で並べたとき、アメリカ企業が6割を占めている——それがそのまま比率になっています。国の数を平等に割っているわけではありません。

組入上位10銘柄を見ると、もっとはっきりします。

順位 銘柄 比率
1 NVIDIA(米国) 5.1%
2 Apple(米国) 4.0%
3 Microsoft(米国) 3.0%
4 Amazon(米国) 2.6%
5 Alphabet(米国) 2.0%
8 TSMC(台湾) 1.7%
上位10銘柄のうち、米国企業でないのは台湾のTSMCだけです。

つまりオルカンを買うということは、実質的にアメリカの巨大テック企業を中心に持つということでもあります。ここが、次の話につながります。

だから、この2つは「完成されすぎて」います

オルカンとS&P500が完成されすぎている4つの理由 分散 コスト 規模 つみたて枠

理由① 分散が、すでに限界までされている

オルカンは47か国・約3,000銘柄。これ以上どう分散しろというのか、という水準です。個人が自分で組み替えて、これより良い分散を作るのは現実的ではありません。

理由② コストが、もう下げようがない

eMAXIS Slim 全世界株式の信託報酬は年0.05775%(税込)。100万円を1年持って、577円ほどです。この水準になると、コストは実質的に無視できます。

理由③ 規模が大きく、なくなる心配が小さい

純資産総額は約13.8兆円。投資信託には「小さすぎて運用をやめる(繰上償還)」というリスクがありますが、この規模ならまず心配ありません。

理由④ 新NISAのつみたて投資枠で買える

ここは地味ですが重要です。つみたて投資枠の対象商品は、金融庁が基準を設けて絞り込んでいます。長期の積立に向かない商品は、そもそも入れません。オルカンもS&P500も、その基準を通っています。

この4つが揃っている商品に、初心者が足せる工夫はほとんどありません。

だから「完成されすぎている」と書きました。考える余地がないことが、この商品の最大の長所です。

ナスダック100・FANG+・TOPIXは、どうなのか

「もっと増えそうなものを選びたい」と思う気持ちは、よくわかります。ひとつずつ、正直に見ていきます。

ナスダック100やFANG+の銘柄はすでにオルカンの中に入っている 重複の図解

ナスダック100|すでに、オルカンの中にいます

ナスダック100は、ナスダック市場に上場する非金融企業100社の指数です。ハイテク企業の比率が高く、過去のリターンは確かに良好でした。

ただ、ここで思い出してください。オルカンの上位はNVIDIA・Apple・Microsoft・Amazon・Alphabet・Broadcom・Meta・Tesla。これらは全部、ナスダック100の主力銘柄でもあります。

つまり「オルカン+ナスダック100」は、同じ会社を二重に買っている状態です。

分散が増えるのではなく、アメリカの巨大テックへの偏りが強くなるだけです。それを狙ってやるなら問題ありませんが、「分散のために足す」のは逆効果です。

FANG+|10銘柄は、インデックス投資ではありません

いちばん正直に書く必要があるのが、これです。

FANG+の構成は10銘柄。しかも等ウェイト(1銘柄あたり約10%ずつ)なので、1社の不調がそのまま10%の影響になります。

これは「インデックス投資」という言葉から連想する分散とは、まったく別のものです。

実態としては10社への集中投資に近い。上がるときは大きく上がりますが、下がるときも同じだけ下がります。初心者が最初の1本に選ぶ商品ではありません。

TOPIX|すでに4.9%、入っています

「日本にも投資したい」という気持ちで選ぶ方が多い指数です。約1,672銘柄と分散はよく効いています(なお2026年10月の見直しで、構成銘柄は約1,200へ絞り込まれる予定です)。

ただ、オルカンを買っていれば日本はすでに4.9%組み込まれています。そして、ここは冷静に考えたいところです。

あなたの収入は、すでに日本円で入ってきています。

住んでいる場所も、将来もらう年金も、日本です。資産まで日本に寄せると、生活と投資が同じ方向に傾きます。日本株の比率を上げるなら、その意味を理解したうえでどうぞ。

それでも気になる人へ|コアとサテライト

「頭ではわかったけど、それでもナスダック100を少し買いたい」

その気持ちを否定はしません。そういうときの考え方があります。

コア(土台)9割 + サテライト(お楽しみ)1割

  • コア/オルカンかS&P500。ここは動かさない
  • サテライト/気になるものを、多くても1割まで

この比率なら、サテライトが半分になっても資産全体では5%の影響で済みます。

ただし、これは「投資を続けられている人」の話です。まだ始めたばかりなら、サテライトは要りません。コア1本で1年続けてから考えても、まったく遅くありません。

で、オルカンとS&P500はどっち?

ここまで来たら、最後の1問です。

ただ、この記事を読んだあとなら、もう答えは半分見えていると思います。オルカンの62.8%はアメリカなので、この2つの中身は、思っているほど違いません。

  • アメリカ以外の国も持っておきたい/将来アメリカ以外が伸びる可能性に備えたい → オルカン
  • アメリカに集中させたい/自分で判断して選びたい → S&P500
  • 迷っているオルカン(迷ったときに何もしなくていいほう)

リターンの実績や5つの視点での比較は、オルカンとS&P500の比較記事に詳しく書きました。ここで最終決定してください。

やってはいけない3つ

① 何本も買う

「分散のために5本買う」は、たいてい同じ会社を5回買っているだけです。中身を見ずに本数だけ増やしても、分散にはなりません。1本で十分です。

② 過去のリターンだけで選ぶ

ナスダック100やFANG+の過去成績が良いのは事実です。ただ、過去に大きく上がったものは、下がるときも大きく下がります。成績表の数字と、下落したときの自分の気持ちは別ものです。

③ 決められずに、始めない

これがいちばんもったいない失敗です。どれを選ぶかより、いつ始めるかのほうが結果に効きます。迷って3ヶ月止まるくらいなら、オルカンを月5,000円で始めてください。あとから変えられます。

よくある質問

Q. 途中で変えられますか

変えられます。積立の設定を止めて、別の商品に切り替えるだけです。すでに買った分は、そのまま持ち続けても構いません。「一生この1本」と気負う必要はありません。

Q. つみたて投資枠と成長投資枠、どっちで買いますか

オルカンもS&P500も両方の枠で買えます。まずはつみたて投資枠から使ってください。ナスダック100やFANG+は成長投資枠でしか買えない商品が多いので、そこも判断材料になります。(新NISAの完全ガイド

Q. 同じ「S&P500」の商品がいくつもあります

中身はほぼ同じなので、信託報酬がいちばん安いものを選べば大丈夫です。eMAXIS Slimシリーズは「業界最低水準の運用コストを目指し続ける」という方針を掲げているので、迷ったらここで問題ありません。

Q. 月いくらから始められますか

多くの証券会社で100円から買えます。まずは月5,000円で十分です。金額より、「積立をしている状態」に入ることのほうが大事です。(お金の順番6ステップ

Q. 買ったあとは何をすればいいですか

何もしなくて大丈夫です。毎日値動きを見ない。下がっても売らない。アプリを開くのは、多くても月1回で十分です。

たこ先生の、正直な話

私も、最初はさんざん迷いました。

比較サイトを何十ページも読んで、過去のリターンを並べて、「ナスダック100のほうが伸びている」「でもリスクが」と、何週間も決められませんでした。

その間、私は1円も投資していません。

ようやくオルカンで始めたあと、しばらくしてから中身を調べて、正直おどろきました。

6割がアメリカだったんです。

あんなに悩んだ「全世界かアメリカか」という問いは、中身を見れば、そもそもそれほど大きな分かれ道ではなかったということです。

あのころの私に言えることがあるとしたら、これだと思います。

選ぶのに使った時間は、選択の質をほとんど上げていませんでした。上げていたのは、始めるのが遅れたという損だけです。

この2つは、本当によくできています。だからこそ、選ぶことに時間を使わないでください。10分で決めて、あとは放っておく。それがいちばん賢い使い方だと思っています。

まとめ|1本でいい。10分で決めていい

この記事の要点

  • 答えは全世界株式(オルカン)かS&P500のどちらか1本
  • いちばん大きな違いは銘柄数。オルカン約3,000/S&P500は500/FANG+はたった10
  • オルカンの62.8%はアメリカ。上位10銘柄のうち9つが米国企業
  • だからオルカンとS&P500の中身は、思っているほど違わない
  • 完成されている理由は①分散 ②コスト0.05775% ③純資産13.8兆円 ④つみたて枠対象
  • ナスダック100を足しても分散は増えない。同じ会社を二重に買うだけ
  • FANG+は10銘柄。インデックス投資ではなく集中投資
  • 気になるものがあるならコア9割・サテライト1割まで

投資商品の選択は、料理でいえば「素材選び」に見えます。でも実際は、もう完成した料理が2皿だけ置いてあるという状況に近いです。

どちらもおいしい。味の方向が少し違うだけ。それなら、迷う時間がいちばんもったいない。

今日いちばん効くのは、比較サイトをもう1ページ読むことではありません。証券口座を開いて、オルカンを月5,000円で設定すること。それだけです。

※本記事は2026年8月27日時点の公表情報にもとづく一般的な解説であり、特定の投資信託・指数の購入を推奨するものではありません。オルカンの国別配分比率・組入上位銘柄は、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)の2026年4月30日現在の公表データによります。信託報酬・純資産総額は各社の公表情報、各指数の構成銘柄数は各指数提供会社の公表内容によります。比率・銘柄数・構成は日々変動し、指数の算出基準も見直される場合があります。過去のリターンは将来の成果を保証するものではありません。投資は元本が保証されるものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。

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