夏のボーナスの記事は、たいてい6月に出ます。
「使い道を決めましょう」「貯蓄に回しましょう」——ええ、正しいです。でもこの記事を読んでいる8月半ば、もう手元に残っていないという方も多いのではないでしょうか。
だからこの記事は、そこから書きます。
大事なのは、次の冬までの4ヶ月で「決め方」を変えることです。
そしてもうひとつ。平均額を見て、落ち込まないでください。そこにもカラクリがあります。
- 2026年夏のボーナスの平均額と、その内訳の実態
- 平均と中央値の差(年代別も)
- みんなの使い道と、そこに潜む危険信号
- もう使ってしまった人が、いま確認すること
- 冬までの4ヶ月でやる、配分の決め方
まず、平均を見て落ち込まないでください
2026年夏のボーナスの平均額です。
前年の45.9万円から1.8万円の増加。(帝国データバンク/2026年6月・1,043社)
この数字を見て「うちはそんなにない」と思った方。その感覚のほうが、多数派です。
同じ調査で、支給額の分布が出ています。
| 支給額 | 企業の割合 |
|---|---|
| 15万〜30万円未満 | 19.4% |
| 30万〜50万円未満 | 37.0%(最多) |
| 50万〜75万円未満 | 26.2% |

足してみてください。「50万円未満」だけで、56.4%です。
平均は47.7万円なのに、半分以上が50万円に届いていない。おかしく感じますか。おかしくありません。平均は、上のほうに引っ張られる数字だからです。
だから「中央値」を見ます
中央値とは、全員を金額順に並べたとき、ちょうど真ん中に来る人の額のことです。一部の高額な人に引っ張られないので、実感に近くなります。
転職サービスdodaの調査(20〜59歳の正社員15,000人)から、平均と中央値を並べます。
| 平均 | 中央値 | |
|---|---|---|
| 年間(夏+冬など) | 120.7万円 | 100万円 |
| 夏だけ | 57.7万円 | 50万円 |
年間で20.7万円、夏だけでも7.7万円の差があります。
年代別に見ると、こうなります
ここは年間(夏+冬)の金額である点に注意してください。夏だけならおおむね半分です。
| 年代 | 年間の平均 | 年間の中央値 |
|---|---|---|
| 20代 | 86.8万円 | 72万円 |
| 30代 | 107.1万円 | 92万円 |
| 40代 | 124.9万円 | 100万円 |
| 50代 | 143.2万円 | 118万円 |

※平均はdoda「ボーナス平均支給額の実態調査」(2025年8月実施・20〜59歳の正社員15,000人)。中央値は同社が公表している中央値データ(2024年9月〜2025年8月に支給されたボーナス)によります。集計時期が異なるため、平均と中央値は厳密には同一集計ではありません。
どの年代でも、中央値のほうが低く出ます。40代なら平均124.9万円に対して中央値100万円。差は25万円近くあります。
平均を超えている人のほうが、実は少数派。貯金額でもまったく同じ構造が起きています。他人の数字と比べて落ち込むのは、いちばん意味のない時間の使い方です。
みんなの使い道と、そこに潜む危険信号
2026年8月に実施された調査(18歳以上の男女348人)から、使い道の内訳です。
| 使い道 | 割合 |
|---|---|
| 貯蓄 | 35.1% |
| 生活費の補填 | 16.7% |
| 投資・NISA | 14.0% |
| 借金・ローンの返済 | 12.3% |
| 旅行・レジャー | 7.0% |

1位が貯蓄なのは、順当です。問題は2位です。
これは「毎月の家計が、ボーナスなしでは回っていない」という状態を意味します。ボーナスは業績で減ることも、ゼロになることもあります。それを前提に組んだ生活は、いつか必ず崩れます。
もし心当たりがあるなら、ボーナスの使い道を考えるより先に、毎月の固定費を見てください。順番が逆になっています。
ボーナスで埋めていると、その穴は毎年開き続けます。穴のほうを小さくしないと終わりません。
もう使ってしまった人へ
さて、本題です。
すでに残っていない方。責める話はしません。1つだけ確認してください。
思い出せるなら、問題ありません。旅行でも、家電でも、外食でも。覚えているということは、納得して使ったということだからです。
危ないのは「何に使ったか分からない」ほうです。
これは家計管理でいう「使途不明金」と同じで、まとまったお金が入ったときほど起きやすくなります。金額が大きいので、少しずつ溶けても気づきません。
もし思い出せないなら、明細を1回だけさかのぼってみてください。責めるためではなく、次の冬に同じことを繰り返さないためです。
冬まで4ヶ月|配分は「先に」決めます
ボーナスが残らない理由は、はっきりしています。
入ってから考えるからです。
毎月の給料で先取り貯金が効くのと、まったく同じ理屈です。ボーナスも入る前に行き先を決めておくだけで、残り方が変わります。
おすすめは、3つに分けること
| 配分 | 行き先 |
|---|---|
| まもる | 生活防衛資金と特別費。まずここが埋まるまでは最優先 |
| ふやす | 新NISAなど。防衛資金が埋まってから |
| つかう | ここは削らないでください。楽しみがゼロの計画は、続きません |
比率に正解はありませんが、迷うなら「まもる5・ふやす3・つかう2」あたりから始めてみてください。防衛資金がもう十分にある方は、まもるを減らしてふやすに寄せれば大丈夫です。
大事なのは比率より、入った日のうちに3つの口座へ分けてしまうことです。口座を分けておくと、これが数分で終わります。

「つかう」を残す理由
ここは強調しておきます。
ボーナスを全額貯金に回す計画は、たいてい失敗します。反動が来るからです。「今回は我慢したから、次は好きに使おう」となって、結局トータルでは変わりません。
最初から2割を「使っていいお金」として確保しておくほうが、残りの8割を守りきれます。
やってはいけない使い方
クレジットカードのボーナス払い、住宅ローンのボーナス返済。これらは「まだもらっていないお金」をあてにする仕組みです。減額されたときに、逃げ場がなくなります。
② 「ボーナスありき」で毎月を組む。前述の「生活費の補填」がこれです。毎月が赤字でボーナスで埋めている状態は、ボーナスが出ない年に一気に表面化します。
③ 使い道を決めずに、口座に置いたままにする。いちばん多い失敗です。ふだん使う口座に置いておくと、境目がなくなって少しずつ溶けます。分けた瞬間に、それは「残るお金」になります。
④ 「臨時収入だから」と気を大きくする。ボーナスは臨時収入ではありません。働いた分の後払いです。給料と同じ重さで扱ってください。
よくある質問
Q. ボーナスがない会社なのですが
ボーナスがない代わりに月給が高い会社もあります。大事なのは年収の総額です。ボーナスがない方は、そのぶん「特別費」を毎月積んでおくとバランスが取れます。年に2回まとめて来るお金を、12分割で自分に払っているイメージです。
Q. 住宅ローンの繰上返済に使うべきですか?
ケースによります。金利が高いローンなら効果は大きいですが、生活防衛資金を削ってまで返すのは危険です。手元の現金がなくなると、次に困ったときに高い金利で借りることになります。返すのは、守りが固まってからで大丈夫です。
Q. 全額をNISAに入れてもいいですか?
おすすめしません。投資は5年以上使わないお金で行うものです。1年以内に使う予定があるお金まで入れると、値下がりしたときに売らざるを得なくなります。まずは生活防衛資金を確保してからにしてください。
Q. 家族に内緒の貯金に回してもいいですか?
金額や事情によります。ただお互いに「まったく把握していない」状態は、後々トラブルになりやすいです。使い道を全部共有しなくても、「いくら来て、いくら貯めた」だけは共有しておくほうが安全です。
たこ先生の、正直な話
私にも、思い出せないボーナスがあります。
何年か前の夏です。金額は覚えているんです。でも何に使ったかが、まったく思い出せない。
旅行に行った記憶もない。大きな買い物をした覚えもない。それなのに、秋には残っていませんでした。
あとから明細を見て、分かりました。外食が少しずつ増えていたんです。
1回3,000円が5,000円になり、月2回が月4回になり。1回ずつは大したことがない。でもボーナスが口座にあるという安心感が、判断をゆるくしていました。
そのとき学んだのは、これです。
ボーナスは、使い道を決めなければ「なかったこと」になる。
いまは入った日に3つに分けています。作業は10分ほど。それだけで、秋に「あれ、どこいった?」と思うことはなくなりました。
まとめ|比べるのをやめて、先に分ける
- 2026年夏の平均は47.7万円。ただし50万円未満が56.4%で、平均以下が多数派
- 年間で見ると平均120.7万円 vs 中央値100万円。夏だけでも57.7万円 vs 50万円
- 年代別の中央値は20代72万・30代92万・40代100万・50代118万円(年間)
- 使い道の2位が「生活費の補填」16.7%。これは危険信号
- 使ってしまった人は、何に使ったか思い出せるかだけ確認する
- 冬までにやるのは「入る前に3つに分ける」と決めておくこと
- 「つかう」を2割残す。全額貯金は反動で失敗します
ボーナスの季節になると、必ず平均額のニュースが流れます。そして毎回、多くの人が少し落ち込みます。
でも見てきたとおり、平均を下回っているほうが普通です。比べる相手を間違えないでください。
比べるのは他人ではなく、去年の自分で十分です。去年より少しでも残ったなら、それは前進です。
※本記事は2026年8月17日時点の公表情報にもとづく一般的な解説であり、特定の金融商品の購入を推奨するものではありません。統計は帝国データバンク「2026年夏季賞与の動向アンケート」(2026年6月5〜9日実施・有効回答1,043社)、doda「ボーナス平均支給額の実態調査」(2025年8月1〜8日実施・20〜59歳の正社員15,000人)および同社公表の中央値データ、ならびに2026年8月実施のインターネット調査(18歳以上の男女348人)によります。調査主体・時期・対象が異なるため、単純比較にはご注意ください。実際の支給額・税額はお勤め先および個人の状況により異なります。



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