【10個を数字で比較】コスパのいい取りやすい資格2026年版|月5,000円の手当は150万円の資産と同じです

キャリアアップ

資格の記事を読むと、たいてい「取れば人生が変わる」と書いてあります。

正直に言うと、変わりません。

資格そのものは、年収を上げません。年収を上げるのは「その資格が必要な仕事に移ること」です。
ただし、資格手当だけは別です。手当は毎月、働き方を変えなくても入ってきます。

そして、ここにこの記事でいちばん伝えたい計算があります。

月5,000円の資格手当は、150万円の資産と同じ働きをします。

年6万円を、資産から取り崩しで得ようとすると150万円が必要だからです(4%ルール)。40時間の勉強でそれが手に入るなら、投資よりずっと利回りがいい。

この記事では、実際に取りやすい資格を10個、ひとつずつ数字つきで見ていきます。受験料、合格率、勉強時間、そして「受験料以外にかかるお金」まで正直に書きます。

この記事でわかること

  • 資格のコスパの正しい測り方(手当は毎月もらえる)
  • 取りやすい資格10個の、受験料・合格率・勉強時間
  • それぞれどんな仕事で効くのか
  • 受験料以外にかかる「隠れコスト」(ここで失敗する人が多い)
  • 費用の一部を国に出してもらう方法
  • どれから手をつけるか、選ぶ順番
  1. 資格のコスパは、こう測ります
    1. いちばん見落とされるリターンが、資格手当です
  2. 取りやすい資格10個、まとめて比較
  3. ① 危険物取扱者 乙種第4類|勉強時間あたりの効率が最も高い
  4. ② 第二種電気工事士|独占業務があるので、強い
  5. ③ 二級ボイラー技士|ビル管理へのパスポート
  6. ④ 登録販売者|手当の額なら、この中で最強
  7. ⑤ 日商簿記3級|受験料3,300円は破格
  8. ⑥ FP3級|自分の家計に、いちばん早く効く
  9. ⑦ ITパスポート|どの業界にいても、話が通じるようになる
  10. ⑧ 食品衛生責任者|1日で終わる。試験もない
  11. ⑨ フォークリフト運転技能講習|落ちない。でも高い
  12. ⑩ 宅地建物取引士|取りやすくはない。でもコスパは最強
  13. 受験料以外にかかるお金に、注意してください
  14. 費用は、国が出してくれることがあります
  15. やってはいけない3つ
    1. ① 手当が出るか確認せずに取る
    2. ② いきなり難しい資格から始める
    3. ③ 資格を取ることをゴールにする
  16. 結局、どれから手をつけるか
    1. 目的別の、最初の1つ
  17. よくある質問
    1. Q. 働きながらでも取れますか
    2. Q. 何個くらい取ればいいですか
    3. Q. 独学でいけますか
    4. Q. 落ちたらどうなりますか
    5. Q. 40代・50代からでも意味がありますか
  18. たこ先生の、正直な話
  19. まとめ|鍵より先に、開けたい扉を決める

資格のコスパは、こう測ります

コスパ=リターン ÷ コスト。当たり前ですが、両方を正しく数えないと判断を間違えます。

コスト(払うもの) リターン(返ってくるもの)
受験料
テキスト代(2,000〜4,000円)
講習・工具などの隠れコスト
勉強時間
資格手当(毎月)
応募できる求人が増える
時給が上がる
その仕事に就ける(独占業務)

いちばん見落とされるリターンが、資格手当です

資格手当は、取った翌月から、毎月、何もしなくても入ってきます。これを資産に換算すると、こうなります。

月の資格手当 年間 同じ収入を生む資産額
2,000円 24,000円 60万円
5,000円 60,000円 150万円
10,000円 120,000円 300万円
15,000円 180,000円 450万円
資格手当を資産に換算すると 月5000円の手当は150万円の資産と同じ

登録販売者の手当は月1万〜1万5,000円が相場です。つまり300万〜450万円ぶんの資産を持っているのと同じ現金が、毎月入るということになります。

ただし、いちばん大事な注意があります。

資格手当は、会社によって「ある/ない」がまったく違います。そして辞めれば消えます。さらに厄介なことに、その資格がないと仕事にならない業界では、逆に手当が出ないこともあります(持っていて当たり前だから)。

だから順番は、「取ってから探す」ではなく「先に求人票を見る」です。求人票の読み方はいい会社の選び方にまとめてあります。

取りやすい資格10個、まとめて比較

まず全体像です。合格率が高いほど、また勉強時間が短いほど「取りやすい」ということになります。

取りやすい資格10個の合格率比較 食品衛生責任者からFP3級 ボイラー ITパスポート 簿記3級まで
資格 受験料 合格率 勉強時間の目安
食品衛生責任者 約12,000円 試験なし(講習) 6時間
フォークリフト 4万〜4.5万円 ほぼ全員修了 3日程度
FP3級 8,000円 54〜87%(団体差) 30〜60時間
二級ボイラー技士 8,800円+講習 52.9% 60〜100時間
ITパスポート 7,500円 48.6% 100〜180時間
日商簿記3級 3,300円 40.8% 80〜120時間
登録販売者 12,800〜18,200円 40.7% 250〜400時間
第二種電気工事士 11,100円+工具 学科55.4%→技能71.4% 100〜150時間
危険物取扱者 乙4 5,300円 31.9% 40〜60時間
宅地建物取引士 8,200円 18.7% 300〜400時間

※合格率は各実施機関が公表している直近の数値。勉強時間は各種スクール等が示す一般的な目安で、前提知識により大きく変わります。

では、ひとつずつ見ていきます。

① 危険物取扱者 乙種第4類|勉強時間あたりの効率が最も高い

受験料 5,300円 / 合格率 31.9%(令和7年度) / 勉強時間 40〜60時間
受験機会 都道府県ごとに年数回〜十数回 / 実施 消防試験研究センター

通称「乙4」。ガソリン、灯油、軽油といった引火性の液体を扱うための国家資格です。

令和7年度は全国で31万人以上が危険物取扱者を受験し、そのうち22万人以上が乙4でした。全体の7割です。それだけ需要があるということです。

効くのはこういう場所です。ガソリンスタンド(セルフでも有資格者の立ち会いが必要)、化学工場、塗料や燃料を扱う倉庫、タンクローリーの運転、ビルの地下にある燃料タンクの管理。

正直な注意

合格率31.9%という数字だけ見ると難しそうですが、これは受験のハードルが低くて記念受験が多いためです。テキストを2〜3周すれば十分に届きます。ただし手当は月2,000円前後と控えめで、出ない会社もあります。この資格の本当の価値は手当より「応募できる求人が増えること」です。

向いている人:まず1つ資格を取って弾みをつけたい人。40〜60時間なら、1日1時間で2ヶ月です。

② 第二種電気工事士|独占業務があるので、強い

受験料 11,100円(ネット申込/令和8年度から) / 合格率 学科55.4%・技能71.4%
勉強時間 100〜150時間 / 受験機会 年2回(上期・下期) / 実施 電気技術者試験センター

この記事で挙げる中で、いちばん「仕事に直結する」資格です。

理由は独占業務があるから。一般住宅や小規模店舗のコンセント増設、照明器具の取り付け、配線工事は、この資格がないと法律上できません。資格がある人にしかできない仕事があるというのは、他の資格にはない強みです。

試験は学科と技能の2段階。学科に受かった人だけが技能に進みます。技能は実際に工具を使って配線をつくる試験で、あらかじめ公表される候補問題13問の中から出題されます。

2つ、必ず知っておいてほしいこと

  • 令和8年度から受験料が上がりました。ネット申込で9,300円→11,100円、書面申込で9,600円→12,500円です
  • 技能試験には工具と練習用材料が必要です。工具セットと材料をそろえると、受験料とは別に1万〜2万円台かかります

向いている人:手を動かす仕事が苦にならない人。副業や自宅のDIYにも効きます。手当の相場は月1,000円〜1万円と幅がありますが、これは「電気工事会社では持っていて当然なので手当が出ない」ケースが含まれるためです。

③ 二級ボイラー技士|ビル管理へのパスポート

受験料 8,800円 / 合格率 52.9%(令和7年度) / 勉強時間 60〜100時間
受験機会 毎月1〜2回(全国7か所) / 実施 安全衛生技術試験協会

ビルやホテル、病院、工場にあるボイラー(暖房や給湯のための装置)を管理するための国家資格です。

合格率52.9%は、この記事の中でも高いほうです。そして毎月1〜2回、全国7か所で実施されているので、落ちてもすぐ次があります。これは地味ですが大きな利点です。

効く場所:ビルメンテナンス(ビル管理)業界。この業界には「ビルメン4点セット」と呼ばれる定番の組み合わせがあり、二級ボイラー技士はその一角です。残りは第二種電気工事士、危険物乙4、第三種冷凍機械責任者。この記事の①②③がそのまま重なります。

いちばん見落とされる注意点

試験に合格しても、それだけでは免許がもらえません。別に「ボイラー実技講習」(3日間・約22,000円)を修了する必要があります。つまり実質的な費用は8,800円ではなく約3万円です。ここを知らずに計算する人がとても多いところです。

向いている人:安定した現場職に移りたい人。ビル管理は夜勤がある代わりに拘束時間中の余裕が大きく、勉強を続けやすい仕事としても知られています。

④ 登録販売者|手当の額なら、この中で最強

受験料 12,800〜18,200円(都道府県で異なる) / 合格率 40.7%(2025年度・全国)
勉強時間 250〜400時間 / 受験機会 年1回(都道府県ごと) / 資格手当 月1万〜1万5,000円

ドラッグストアや薬局で、一般用医薬品(第2類・第3類)を販売できる資格です。薬剤師がいなくても、この資格があれば売り場に立てます。

2025年度は全国で58,996人が受験し、24,004人が合格しました。手当の相場は月1万〜1万5,000円で、この記事の中では断然トップです。冒頭の換算でいえば、300万〜450万円の資産に相当します。

知っておくと得をする2つ

  • 住んでいる都道府県以外でも受験できます。しかも複数の都道府県を受けられます。試験日が違うので、1年に何度もチャンスがあるということです
  • 合格率は地域差がとても大きいです。令和6年度は最高の北海道が62%台、最低の沖縄が24%台と2.5倍以上の開きがありました
正直な注意

合格しても、すぐに一人で売り場に立てるわけではありません。直近5年間で1年以上(かつ月80時間以上)の実務経験を積むまでは「研修中」の扱いになり、手当も5,000円前後にとどまるのが一般的です。フル額の手当が出るまでには時間がかかると考えておいてください。

向いている人:小売やサービス業から、待遇を上げて転職したい人。勉強量は多めですが、リターンも大きい資格です。

⑤ 日商簿記3級|受験料3,300円は破格

受験料 3,300円(ネット試験は別途事務手数料550円) / 合格率 40.8%(ネット試験)
勉強時間 80〜120時間 / 受験機会 ネット試験は随時/統一試験は年3回

受験料3,300円は、この記事で最安です。そして得られるものは小さくありません。

簿記3級で学ぶのは、会社のお金の流れを記録するルールです。売上とは何か、利益とは何か、資産と負債はどう違うのか。事務職や経理の入口であると同時に、決算書が少し読めるようになるので投資にも効きます。

ネット試験(CBT)なら全国のテストセンターで随時受けられます。2025年4月〜2026年3月のネット試験は276,477人が受験し、合格率40.8%でした。

正直な注意

3級だけで転職が有利になることは、あまりありません。評価されるのは2級からです。ただし3級は2級への必須の土台で、しかも3,300円。「2級に進むかどうかを決めるための3,300円」と考えると、かなり合理的な出費です。

向いている人:事務職を目指す人。そして投資をしている人。企業の決算を自分で読みたいなら、ここが入口です。

⑥ FP3級|自分の家計に、いちばん早く効く

受験料 8,000円(学科4,000円+実技4,000円) / 合格率 日本FP協会 学科86.6%・実技84.9%/きんざい 学科54.0%・実技53.7%
勉強時間 30〜60時間 / 受験機会 随時(CBT・全国)

年金、保険、税金、住宅ローン、相続、そして投資。お金まわりを一通り、体系的に学べる資格です。

2024年度からCBT方式に完全移行し、全国どこでも、好きな日に受けられるようになりました。これは大きな改善です。

これは知らないと損をします

FP3級は「日本FP協会」と「きんざい」の2団体が実施していて、どちらを受けても同じ「3級FP技能士」になります。ところが合格率が大きく違います。直近では日本FP協会が学科86.6%、きんざいが学科54.0%。30ポイント以上の差です。

これは受験者層の違い(きんざいは金融機関の団体受験が多い)も影響しますが、実技試験の出題形式も違います。どちらを受けるかは、必ず自分で確認してから申し込んでください。

正直な注意3級で就職が有利になることは、ほぼありません。この資格の価値は転職ではなく、自分の家計に直接返ってくることです。保険の見直し、住宅ローンの選び方、NISAの使い方。学んだ翌週から、自分の生活で使えます。

向いている人:このブログを読んでいる方には、いちばんおすすめしやすい資格です。内容がNISA保険の見直しとそのまま重なります。

⑦ ITパスポート|どの業界にいても、話が通じるようになる

受験料 7,500円 / 合格率 48.6%(令和7年度) / 勉強時間 100〜180時間
受験機会 随時(CBT・全国47都道府県) / 実施 情報処理推進機構(IPA)

ITの基礎知識を問う国家試験です。名前が軽いので誤解されますが、国家資格です。

出題はITの技術だけでなく、経営戦略、会計、法務まで含みます。つまり「ITを使って仕事をする人」全般のための試験です。エンジニアになるための資格ではありません。

CBT方式で全国47都道府県のテストセンターで通年実施。落ちても翌月以降にすぐ再受験できます。

正直な注意

これ単体で転職が決まる資格ではありません。ただ、社内でDXや業務システムの話が出たときに「何を言っているかわかる」状態になるのは、思っている以上に効きます。会社によっては昇進の要件や推奨資格になっていることもあるので、まず社内規定を確認してみてください。

なお2027年に試験制度の改定が予定されています。受けるなら早めのほうが、いま出回っている教材をそのまま使えます。

向いている人:事務職・営業職で、ITの話に苦手意識がある人。

⑧ 食品衛生責任者|1日で終わる。試験もない

費用 約12,000円(教材費込) / 試験 なし(講習の受講のみ)
所要時間 約6時間 / 受講方法 会場またはeラーニング

飲食店や食品を扱う店には、店舗ごとに食品衛生責任者を1名置くことが法律で義務づけられています。

そして、この資格には試験がありません。養成講習会を受講すれば取得できます。eラーニングなら標準学習時間は約6時間。実質1日です。

使いどころ

飲食業でのアルバイト・パートで有利になるほか、将来キッチンカーや小さな飲食店、菓子の製造販売を考えている人には必須です。副業として食品を扱うなら、まずここからです。逆に飲食に一切関わる予定がないなら、取る意味はほとんどありません。

向いている人:飲食業に関わる予定がある人。副業で食品を扱いたい人。

⑨ フォークリフト運転技能講習|落ちない。でも高い

費用 4万〜4.5万円(普通免許ありなら短縮コースで安くなる) / 期間 3日程度
形式 学科+実技の講習(修了試験あり/ほぼ全員修了)

正確には資格試験ではなく技能講習です。最大荷重1トン以上のフォークリフトを運転するために必要です。

物流倉庫、製造工場、建設現場、港湾。人手不足が特に深刻な分野で、そのまま時給に反映されます。持っているだけで応募できる求人がはっきり増えます。

正直な注意

費用が4万円台と、この記事の中で最も高いです。ただし、これは自腹で払う前提の話。物流・製造業では会社が費用を負担してくれるケースがかなり多いので、まず勤務先や応募先に「取得費用の補助はありますか」と聞いてください。それだけで4万円が0円になることがあります。

向いている人:物流・製造業で働いている、または働く予定の人。自腹で先に取るより、補助のある職場を先に見つけるほうが賢い資格です。

⑩ 宅地建物取引士|取りやすくはない。でもコスパは最強

受験料 8,200円 / 合格率 18.7%(令和7年度・合格ライン33点) / 勉強時間 300〜400時間
受験機会 年1回(令和8年度は2026年10月18日) / 資格手当 月1万〜3万円

正直に書きます。これは「取りやすい資格」ではありません。合格率18.7%、勉強時間300〜400時間。この記事の他のどれよりも重いです。

それでも最後に入れたのは、コスパという一点では、間違いなく最強だからです。

  • 資格手当が月1万〜3万円。年12万〜36万円=300万〜900万円の資産に相当します
  • 独占業務があります(重要事項の説明など)
  • 不動産の事務所には有資格者を一定割合置く義務があるので、需要が制度的に保証されています
  • 受験資格に制限がありません(学歴も実務経験も不要)

向いている人:①〜⑨のどれかを取って「自分は勉強を続けられる」と確認できた人。最初の1つにこれを選ぶと、たいてい折れます。順番が大事です。

受験料以外にかかるお金に、注意してください

資格選びでいちばん多い誤算がここです。受験料だけを見て決めると、あとで足が出ます。

資格の隠れコスト ボイラーの実技講習22000円 電気工事士の工具材料 フォークリフトの講習費用
資格 受験料 受験料以外に必要なもの
二級ボイラー技士 8,800円 実技講習 3日・約22,000円
修了しないと免許が交付されません
第二種電気工事士 11,100円 工具・練習材料で1万〜2万円台
技能試験の練習に必要です
日商簿記3級(ネット) 3,300円 事務手数料 550円
全般 テキスト・問題集 2,000〜4,000円
資格によっては免許の交付手数料
逆に、この記事で「隠れコストがほぼゼロ」なのはこの3つです。

危険物乙4(5,300円)/日商簿記3級(3,300円)/FP3級(8,000円)。テキスト代を足しても1万円台で完結します。

費用は、国が出してくれることがあります

スクールや通信講座を使う場合、教育訓練給付制度の対象になっていることがあります。対象講座なら受講料の一部が後から戻ってきます。

この記事で挙げた資格でいえば、登録販売者、簿記、FP、電気工事士などの講座に対象になっているものがあります。申し込む前に「教育訓練給付の対象講座か」を必ず確認してください。知らずに申し込むと、戻ってくるはずのお金が戻りません。

制度の使い方と条件はリスキリングで年収を上げる方法にまとめてあります。この記事で資格を選んで、あちらで費用を減らす、という順番が理想です。

やってはいけない3つ

① 手当が出るか確認せずに取る

資格手当の有無は会社ごとにまったく違います。いま勤めている会社なら就業規則を、転職先を探すなら求人票を、先に見てください。「資格手当あり(月〇〇円)」と明記されている求人は珍しくありません。取ってから探すと、想定より安いことがあります。

② いきなり難しい資格から始める

最初に宅建を選んで、300時間の途中で折れる。これがいちばん多い失敗です。まず40〜60時間で終わるもの(乙4・FP3級)を1つ終わらせてください。「自分は勉強を続けられる」という実績が、次の300時間を支えます。

③ 資格を取ることをゴールにする

厳しい言い方になりますが、資格は使わなければ、ただの紙とお金の支出です。取った後に「その資格が評価される場所」へ動くところまでが1セットです。動かないなら、勉強時間を副業に使ったほうがリターンは大きいこともあります。

結局、どれから手をつけるか

資格の選び方3ステップ 目的を決める 40時間台から始める 求人票で手当を確認する

目的別の、最初の1つ

こういう人は まずこれ
とにかく1つ取って自信をつけたい 危険物乙4(40〜60時間・5,300円)
自分の家計のために学びたい FP3級(30〜60時間・8,000円)
事務・経理に進みたい 簿記3級→2級(3,300円から)
現場職で安定して稼ぎたい 第二種電気工事士(独占業務あり)
ビル管理に転職したい 二級ボイラー技士+乙4+二種電工
手当の額を最優先したい 登録販売者(月1万〜1.5万円)
物流・製造で働いている フォークリフト(会社負担を確認)
腰を据えて大きく変えたい 宅建(ただし2つ目以降に)

よくある質問

Q. 働きながらでも取れますか

この記事の①〜⑨は、すべて働きながら取ることを前提にした資格です。乙4なら1日1時間で2ヶ月、FP3級なら1〜2ヶ月が目安です。ITパスポート・簿記3級・FP3級はCBTで日程を自分で選べるので、特に両立しやすくなっています。

Q. 何個くらい取ればいいですか

数を増やすより、1つの業界で通用する組み合わせを揃えるほうが効きます。ビル管理なら二級ボイラー+乙4+二種電工。事務なら簿記+ITパスポート。バラバラに5個より、同じ方向に3個です。

Q. 独学でいけますか

①〜⑧は独学で十分に届きます。市販のテキストと問題集で2,000〜4,000円です。迷うのは第二種電気工事士の技能試験で、ここは工具の使い方の動画を見ながら実際に手を動かす練習が要ります。それでも独学の人は多いです。

Q. 落ちたらどうなりますか

受験料は戻りません。ただしITパスポート、簿記3級、FP3級はCBTなのですぐ再受験できます。二級ボイラー技士も毎月1〜2回あります。年1回しかないのは登録販売者と宅建だけです。ここは大きな違いなので、選ぶときの材料にしてください。

Q. 40代・50代からでも意味がありますか

あります。むしろビル管理や設備系は年齢の幅が広い分野で、40代・50代からの転職も珍しくありません。二級ボイラー技士や第二種電気工事士は、そういう意味でも相性がいい資格です。

たこ先生の、正直な話

私は昔、資格の勉強を「守りのお守り」として使っていた時期があります。

いまの仕事が不安で、でも転職に踏み切る勇気はなくて、そのあいだの居場所として問題集を開いていました。合格したときは嬉しかったのですが、そのあと何も変わりませんでした。資格証を引き出しにしまって、それで終わりです。

いま振り返ると、理由ははっきりしています。取ったあとに、何をするか決めていなかったからです。

資格は、扉の鍵のようなものだと思います。鍵をたくさん持っていても、扉を開けなければ部屋には入れません。そして扉を開けるのは、資格ではなく自分です。

だからこの記事では、しつこいくらい「求人票を先に見てください」と書きました。どの扉を開けたいかが決まって初めて、必要な鍵が決まるからです。順番が逆だと、鍵ばかり増えていきます。

ただ、ひとつだけ例外があります。FP3級です。この資格だけは、扉を開けなくても効きます。学んだ知識が、そのまま自分の家計に返ってくるからです。

最初の1つに迷っているなら、私はこれをすすめます。8,000円と30時間で、自分のお金の見え方が変わります。

まとめ|鍵より先に、開けたい扉を決める

この記事の要点

  • 資格そのものは年収を上げない。上げるのは「その資格が要る仕事に移ること」
  • ただし資格手当は毎月入る。月5,000円=150万円の資産と同じ働き
  • 手当は会社ごとに違う。取る前に就業規則か求人票を見る
  • 勉強時間あたりの効率が高いのは危険物乙4(40〜60時間・5,300円)とFP3級(30〜60時間・8,000円)
  • 仕事に直結するのは第二種電気工事士(独占業務あり/令和8年度から11,100円に値上げ)
  • 手当の額なら登録販売者(月1万〜1.5万円/ただし実務経験1年までは研修中扱い)
  • 隠れコストに注意。二級ボイラーは実技講習3日・約22,000円が別途必要
  • 講座を使うなら教育訓練給付の対象かを申し込み前に確認する
  • 最初の1つに宅建を選ばない。順番を守れば、300時間も走り切れる

資格の記事を読んでいると、「何か始めなければ」という気持ちになります。その気持ちは、悪いものではありません。

ただ、いちばん効くのは申し込むことではなく、その前に5分だけ求人サイトを開いて、行きたい業界の求人票に「資格手当」と書いてあるかを確認することです。

そこに月1万円と書いてあったら、それは300万円の資産と同じ意味を持ちます。そこまで見えてから始めれば、途中で折れません。

※本記事は2026年8月23日時点の公表情報にもとづく一般的な解説であり、特定の資格・講座の取得を推奨するものではありません。受験料・合格率・試験日程は、消防試験研究センター、安全衛生技術試験協会、情報処理推進機構(IPA)、日本商工会議所、日本FP協会・金融財政事情研究会、電気技術者試験センター、各都道府県、不動産適正取引推進機構などの公表情報によります。これらは年度により変更されるため、申し込み前に必ず各実施機関の最新の公式情報をご確認ください。勉強時間は各種スクール等が示す一般的な目安であり、前提知識により大きく異なります。資格手当の金額は求人情報等にもとづく相場であり、支給の有無・金額は企業により異なります。

コメント

タイトルとURLをコピーしました